トヨタ自動車は4月18日、5月の世界生産台数が年初計画から10万台程度少ない約75万台になると発表した。減産リスクを織り込み、3月中旬に仕入れ先へ示した生産計画値よりも若干台数を引き下げる。これにより、4~6月の平均で月80万台程度としていた計画達成は困難となる見通し。トヨタは5~7月の平均が月80万台程度としている。
半導体不足や物流混乱に伴う部品調達難で生産活動への影響が続いている。5月の生産台数は国内で約20万台、海外で約55万台となる見通しで、年初に仕入れ先に伝えていた計画から1割程度引き下げる。昨年5月の実績は国内20万台、海外47万台の計67万台だった。
5月は、国内全14工場28ライン中、9工場10ラインで稼働を一時停止する。レクサス「NX」「UX」などを生産するトヨタ自動車九州宮田工場第1ライン(福岡県宮若市)や、「ノア」「ヴォクシー」を生産するトヨタ車体富士松工場第2ライン(愛知県刈谷市)では6日間稼働を止める。「カローラ」シリーズを生産する高岡工場(愛知県豊田市)は2日間止める。
トヨタはこれまでの大幅な減産から挽回すべく、昨秋以降に月90万台レベルの生産計画を立てていたが、半導体不足などの影響で計画を下回っていた。また、部品調達難に伴う直前の計画変更が仕入れ先の負担になっていたことから「意志ある踊り場」(豊田章男社長)として、4~6月の生産計画は減産リスクも織り込んで月平均80万台程度に見直し、年初の計画から台数を引き下げてサプライヤーに伝えていた。