日本ミシュランタイヤ(須藤元社長、東京都新宿区)は15日、3Dプリンティング(積層造形、AM)技術の開発拠点「AMアトリエ」を太田サイト(群馬県太田市)内に開設したと発表した。積層造形技術の普及と発展を目的とした施設。群馬県の自治体や大学、企業などで組織する群馬積層造形プラットフォーム(GAM)と連携し、同技術を用いた次世代のデジタルものづくり人材の育成や、ビジネス活性化を推進する拠点としての役割を担う。

 アトリエには、ミシュランと仏フィブの合弁会社アダップの3Dメタルプリンターを2台設置。GAMの会員企業が活用できるようにする。行政との連携や大学、コミュニティーに対して積層造形技術の教育プログラムや共同研究開発を実施するなど、技術啓蒙と普及活動に取り組む方針だ。

 日本ミシュランタイヤの須藤社長は同日に行った開所式で「群馬から革新的なイノベーションを発信する。AMアトリエがその一翼を担うことは間違いない」と抱負を語った。また、開所式に出席した山本一太群馬県知事は、「ものづくり産業を大事にする県として、大変いい刺激になる。ウインウインの関係で新しいものを生み出すことを心から期待する」とエールを送った。

 群馬県内では2020年8月から、県と各自治体、日本貿易振興機構(ジェトロ)、地元企業が連携し、プラットフォームの設立準備を進めてきた。数千万円と高価で、活用ノウハウも限られる3Dメタルプリンターを共同で活用することで、新たな産業や人材を生み出し、地元製造業の競争力強化を目指している。