車室内に30個のスピーカーを装備(イメージ)

 ヤマハは、自動車の全シートに立体音響を提供する技術を開発し、自動車メーカー向けにデモを開始したと発表した。車載オーディオ商品の新製品として年内の量産化を目指す。

 自動車向け立体音響を提供する技術は「車室内全てのシートで立体音響の圧倒的な没入感を体感できるオーディオシステム」をコンセプトに開発した。ヘッドレストや天井部など、合計30個のスピーカーを車室内に配置し、各スピーカーにはヤマハオリジナル振動板をはじめとするハイファイオーディオのノウハウを適用する。

 信号処理LSIの開発で培った技術を応用することで、近距離にあるスピーカーから出る音に独自の信号処理を適用、各スピーカーと乗員の距離による音の歪みを解消した。また、周波数特性分析や、人の聴こえ方に着目した分析を加えることで、信号処理とチューニングを最適化するパラメーターを自動算出するパラメーター探索エンジンを開発し、これを適用することで車種ごとに音響空間を提供するという。

 自動車メーカー向けデモでは、乗車時のウェルカムサウンドを独自に制作、立体音響のコンテンツも開発した。