日本自動車整備振興会連合会(日整連、竹林武一会長)がまとめた2021年度版「自動車整備白書」によると、同年度調査の事故整備売上高は前年度比7・7%減の9659億円にとどまった。1991年度の集計開始以来、初めて1兆円の大台を割り込んだ。車両の高機能化が加速していることで、足元の平均整備単価は上昇傾向にある。しかし、緊急自動ブレーキなど先進運転支援システム(ADAS)の搭載車が拡大。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛も重なり、交通事故自体が減少傾向にあることが事故修理などの売上高に影響したとみられる。

 事故整備売上高は1998年度白書の1兆5282億円をピークに漸減傾向にあったが、2020年度の調査まで1兆円はかろうじて維持していた。ADASの高機能化や搭載車種の拡大が進み、事故が減り続けているのが一因。20年は人身事故が発生した交通事故件数が、前年比18・9%減の30万9千件で、交通事故死者数も初めて3千人を下回った。これに伴い、20年度調査の事故整備売上高も18年度に続いて1兆1千億円を下回っており、1兆円割れは時間の問題と見られていた。

 しかし、事故整備売上高の減少は裏を返せば、安全意識の高まりやADAS搭載車の普及などを意味している。交通事故がゼロに近づくことは自動車業界としても喜ばしい。今後も業界をあげて事故削減への取り組みが加速する中で、整備工場の車体整備部門や車体整備工場では早期に構造改革への対応が求められそうだ。

 整備白書の整備売上高は毎年6月30日時点で、これに最も近い事業者の決算の状況を調査して算出している。21年度調査は20年7月~21年6月までに決算が終了した事業実績を集計しており、会計年度では20年度実績に当たる。

 一方、21年度白書の業態別売上高は専業・兼業が前年度比0・2%減の4951億円と微減にとどまったものの、ディーラーが同17・2%減の4253億円と大幅に減少した。しかし、整備単価はレーダーやカメラなど高額部品の交換やアライメント調整などで上昇傾向にあり、業態別ではディーラーが最大で同5・4%も増加した。ただ、ディーラーは入庫台数が同21・3%減少しており、全体の売り上げの落ち込みをカバーしきれなかった格好だ。