日野自動車は3月29日、排出ガス・燃費試験不正問題やリコール費用などの特別損失として680億円を2022年3月期に計上すると発表した。認証試験で不正行為があったエンジン搭載車両のリコール費用と税制優遇追加納付費用として約400億円、北米市場向けエンジンの認証課題に起因する補償損失として約280億円計上する。通期業績予想で当期純損益を前回公表時の150億円の黒字から540億円の赤字に修正した。

北米向けエンジンの認証問題に起因する現地販売店やサプライヤー、顧客との合意に基づく補償損失は、当初見込んでいた160億円に対して約120億円上回る。

また、21年9月15日にリコールを届け出た「大型トラックの2段過給コンロッド不具合」については、市場措置を促進するため、修理内容を当初のコンロッド交換からエンジンユニット交換へと変更した。これにより追加発生費用として約180億円を営業費用として計上する。

通期業績予想は営業費用の計上に加え、エンジン認証不正行為に起因する出荷停止などで営業損益の悪化を見込み、売上高を前回公表比400億減の1兆4200億円、営業利益を220億円減の320億円に修正した。