クーパ アカウントディレクター 奥野芳彦(おくの・よしひこ)氏

 自動車業界の様々な分野で進むデジタルトランスフォーメーション(DX)。しかし、自動車流通の現場ではセールスやマーケティング視点でのDXが強く、それ以外では注目されづらいのが現状だ。取り扱うサービスが多岐に渡り、ヒト、モノ、コトの管理の複雑さが増している状況で、接客DXを展開するジールス(清水正大代表取締役CEO、東京都目黒区)と日刊自動車新聞社は、生産性向上DXをテーマに4月22日に無料オンラインセミナーを共催する。当日は経営や管理部門でソリューションを提供するテック企企業3社が登壇する。今後3回にわたり、登壇者プレインタビューを掲載する。

 登壇企業で米国に本社を持つCoupa(クーパ、小関貴志社長、東京都港区)は、ビジネス支出管理のリーダー的位置付けにあり、支出価値の最大化を提案する。
 ―日本法人を立ち上げた
 「2006年に米国カリフォルニア州サンマテオで設立した当社は、日本で17年に合同会社を立ち上げ、21年に株式会社に組織変更した。我々は『Value as a Service』を掲げ、お客さまに『定量的な価値』をサービスとして届けることを目標としている」

 ―提供するサービスは
 「我々のサービスは、クラウドコンピューターを活用した『BSM(ビジネス・スペンド・マネジメント)プラットフォーム』で、企業が日常的に必要な備品や製品などの支出管理を支援している。このプラットフォームは、全世界で2千社以上の顧客、700万以上のサプライヤーが利用しており、約330兆円以上の支出管理を行っている。日々、刻々と変わる取引内容をAI(人工知能)が分析し、調達管理や請求書管理を行っている。まさしくペン1本から適切な値段、そしてサプライヤーを提案することができる」

 ―具体的には
 「BSMプラットフォームを利用している顧客の購入商品の価格を統計的に分析し、より低価格なモノを提案する。さらに企業の支出内容を把握して改善策も示す。申請、注文、支払を解析することで調達から支払いまでのプロセスを可視化でき、より効率的な購買調達を支援する」
 「プラットフォームには『Coupaコミュニティ』という機能を備える。ここには多様なサプライヤーが参画しており、役割、地域、業界、取引商品なども検索できる。サプライヤーの情報は常に更新さており、最適な取引相手を探すことができる。これらの機能を活用することで、ユーザーのビジネスチャンスはさらに広がると思っている」

 ―自動車関連企業の導入実績や今後、日本の自動車業界での展開は
 「アウディ、BMW、テスラといった各自動車メーカーに導入実績があり、サプライチェーン(供給網)の効率化を図っている。日本の自動車メーカーはもちろんのこと、ディーラーなどにも広げていきたい。特に店舗をいくつか持っているディーラーや整備事業者では必要な備品も多いと思う。セミナーでは、導入事例とともに、プラットフォーム活用による利益貢献などについて講演したい」

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