ソフトバンクグループは8日、子会社で英半導体メーカーのアームについて米エヌビディアへの売却を断念したと発表した。ソフトバンクGは2020年9月にアームの全株式をエヌビディアに最大400億㌦で売却すると発表、エヌビディアの筆頭株主になる計画を進めていたものの、競争上の規制の問題により売却を取りやめた。アームは22年度中の再上場を目指す。

 エヌビディアとCPUで圧倒的なシェアを持つアームが合併すれば「鬼に金棒、チップ世界で圧倒的に最強の会社ができる」(ソフトバンクGの孫正義社長)計画だった。

 ただ、米・英両政府や主要なIT企業が合併に強く反対し、「これ以上承認を得る努力をしても認められないだろう」(同)と売却を諦めた。

 アームの再上場は、23年をめどに実行することを買収直後から目指していた。今回正式な準備段階に入る。同社はスマートフォンで圧倒的なシェアを誇る。今後は自動車やメタバース、IoT(モノのインターネット)など活用の幅が広がるとして先行投資を積極化しており、「半導体史上最大の上場を目指す」(同)考えだ。