三菱自動車は31日、今期の通期営業利益が前回予想と比べて100億円増の700億円になるとの見通しを発表した。東南アジアでの新型車の販売が好調でモデルミックスが改善しているほか、為替が円安で推移しているため。世界販売見通しは新型車の受注が予想を上回っていることを織り込み、前回予想よりも1万8千台増の92万1千台に引き上げた。半導体などの部品調達が不透明なため、地域別の販売見通しは非公表とした。

 21年4~12月期連結業績は、新車販売が好調だったことから、売上高が前年同期比48・6%増の1兆4161億円と大幅に増加した。営業損益は販売台数増や北米を中心とした販売の質改善、構造改革、為替差益などで559億円(前年同期は866億円の赤字)の黒字に転換した。

 世界販売は、市況が回復傾向のASEAN(東南アジア諸国連合)や新型アウトランダーがけん引した北米などが伸長し、同21%増の68万7千台だった。

 池谷光司副社長は「為替の追い風もあり、今年度3度目の上方修正を行った。改革の手を緩めず、次のステップに進めるよう企業体質の強化を加速する」と述べた。