日野自動車が31日に発表した2021年4~12月期連結業績は当期損益が188億円の黒字に転換した。前年同期は22億円の赤字だった。インドネシアやタイなど、海外販売が好調だった。通期業績見通しは想定よりも円安で推移しており、為替差益が見込まれるものの「部品供給不足に伴う工場の稼働ロスの可能性を踏まえ」(久田一郎専務役員)て前回予想を据え置いた。

 4~12月期の売上高は旧基準比較で北米を除く海外販売が好調で前年同期比18・3%増の1兆2710億円と伸びた。営業利益は498億円と前年同期の10億円の赤字から黒字に転換した。販売の回復に加えて、固定費削減や原価改善活動によって利益を押し上げた。

 世界販売は、エンジン認証の問題で生産を停止していた北米を除く全地域でプラスとなった。海外販売はアジアと北米を除き19年度を超える水準まで回復。主力のインドネシアでも大幅に増加した。

 営業利益増加要因としては、原価改善効果で126億円のプラスとなった。為替影響では77億円の利益押上げ効果があったが、原材料高騰の影響が108億円のマイナスとなり、環境変化による影響は31億円のマイナスとなった。