西日本鉄道は、高速バスおよび一般路線バスの一部路線の運賃を3月に値上げすると発表した。新型コロナウイルス感染症の流行拡大や運転手不足などの影響で路線バス事業の経営が悪化、路線維持のため値上げが必要になった。高速バス2路線には需要などに応じて価格を変動させる「ダイナミックプライシング制度」を導入する。

 高速バスは3月1日に7路線の片道運賃を40~270円値上げする。併せて割引額が大きい紙の4枚回数券などを廃止する。観光用の各種企画乗車券も値上げする。その一方で、スマートフォン用アプリでの回数券購入による割引制度を一部路線で導入する。

 ダイナミックプライシングは「福岡-宮崎線」に導入する。運賃は現行の4710円に対し、3500~6千円の幅を持たせる。さらに「福岡-岡山線」には週末や休日前を高く、平日を安くする「カレンダー運賃」を導入。7540円の片道運賃を6600~9100円の間で調整する。

 一般路線バスは3月19日、福岡都市高速道路経由の一部路線や鉄道との競合で安価に設定していた路線など11路線の一部区間で10~150円値上げする。国から認可を受けた上限運賃の範囲内での値上げとなる。このほか、都市高速経由の3路線を廃止する。

 同社はこれまで、福岡市中心部の「100円バス」の取りやめ・値上げや路線再編(ルート変更)、深夜バス終了時刻の繰り上げなどで経営改善に取り組んできた。しかし好転には至らず、新たな値上げに踏み切る。

 運賃値上げについては、日本バス協会の清水一郎会長も実現に強い意欲を示している。路線最大手の西鉄バスが本格的な値上げに踏み切ったことで、全国的に値上げの動きが活発化すると見られる。