ETC専用化で諸問題解決へ

 高速道路各社でETC(自動料金収受システム)専用料金所の導入が活発になってきた。東日本高速道路(NEXCO東日本、小畠徹社長、東京都千代田区)は26日の定例会見で今春、同社初のETC専用料金所の運用を開始すると表明。中日本高速道路(NEXCO中日本、宮池克人社長、名古屋市中区)も同時期、首都圏で3カ所を専用化する。首都高速道路(前田信弘社長、東京都千代田区)は4月までに35カ所をETC専用とする予定だ。各社は27日から車載器の購入助成キャンペーンをスタートしており、交通の円滑化と料金所の人手不足への対応に向けてETCのさらなる利用拡大に取り組む計画だ。

 政府は30年度頃に全国の高速道路の料金所を、ETC専用とすることを目指している。中でも交通が集中する都市部ではETCによるスムーズな料金徴収が、円滑な道路環境づくりで効果を示す。このため、首都圏など都市部を優先して整備し、25年度にも都市部のETC専用化にめどをつける計画となっている。

 高速各社は目標達成に向け、今春から大きな一歩を踏み出す。NEXCO東日本は東京外環自動車道の「戸田西インターチェンジ(IC)」と「戸田東IC」の入口2カ所をETC専用とする。NEXCO中日本は中央自動車道の「稲城IC」に加え、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の「八王子西IC」と「相模原IC」をETC専用に切り替える。首都高速もすでに運用している横浜北線の「馬場出入口」のほか、34カ所をETC専用とする。各社は順次、導入を進めて、25年度までにNEXCO東日本とNEXCO中日本は圏央道とその内側の料金所の8割程度、首都高速は9割程度をETC専用とする計画だ。

 高速各社がETC専用化を急ぐ背景には、少子高齢化に伴い料金所の人手の確保が厳しくなったことがある。さらにコロナ禍の中では、係員の感染によって料金所の運営に支障が生じるリスクも明らかになった。ひとたび、高速道の出入口が閉鎖されれば、人流や物流に大きな影響が出かねない。何事があっても高速道路網が維持されるよう、その基盤づくりにETCを役立てていく。

 また、柔軟に料金設定に対応できるETCの特徴を生かし、交通需要に応じて通行料を増減させたりすることで、渋滞緩和につながるメリットも期待される。高速道路外の施設などとの連携も図りやすくなることで観光振興をはじめとした新たな効果も生み出しやすい。こうした新たなサービスにもETCの活用範囲を広げていきたい考えだ。