デンソーは19日、オルタネーター事業の一部を技術援助先の中国企業に譲渡すると発表した。譲渡額は非公表。事業ポートフォリオの入れ替えを進め、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応を加速させる。

 譲渡対象は「III型オルタネーター」と呼ばれるエンジン車用発電機の事業。デンソーは1982年に生産を始め、ピーク時には乗用車向けに世界で年間1千万台を供給してトップシェアを誇ったが、次世代型や電動車用「モータージェネレーター」などへの置き換えが進み、現在は安城製作所(愛知県安城市)に生産を集約し、年間100万台を供給している。

 旧世代の製品だが、今後も日本やアジアで農機や建機向けなどの需要があることから、96年から技術指導している中国の成都華川電装有限公司(華川電装、四川省成都市)への事業譲渡を決め、契約を結んだ。生産設備の一部や知財などを譲渡するとともに、華川電装の生産立ち上げを支援する。