eパワー向けのモーターは昨年9月、減速機は11月からタイで生産を始めた

 ジヤトコは、日産自動車の電動パワートレイン「eパワー」について、設計開発から生産までを一貫して担う事業体制の構築を目指す。ジヤトコの佐藤朋由社長兼CEOが日刊自動車新聞の取材に応じて、明らかにした。すでにモーターと減速機はタイで生産しており、次期eパワーについてはユニット全体のアッセンブリーまで担当することを視野に入れている。現在、次期eパワーユニットの技術を生かしたeアクスル開発も進めており、2020年代半ばにも投入する方針。日産やアライアンスを組むルノーが進める電気自動車(EV)シフトに対応していく。

 佐藤社長兼CEOは車両電動化対応について、「日産との協業に基づいて電動化をサポートし、その技術をベースに横展開を進めていく」と話した。

 日産は長期ビジョン「ニッサンアンビジョン2030」を掲げ、今後5年間で電動車関連に2兆円を投資し、EVラインアップを拡充するなど電動車戦略を本格化する方針を打ち出している。日産はジヤトコ株の75%を保有しており、CVT(無段変速機)を中心に駆動系を担う系列サプライヤーとして電動化戦略を〝一心同体〟で進めていく考えだ。

 ジヤトコが昨秋からeパワー用モーターと減速機の生産をタイで始めたのはこの第一歩となる。現在はモーターと減速機の生産に限られるが、日産と開発中の次期型ではユニット全体のアッセンブリーも担っていく方向で検討を進めている。

 タイのみならず日本国内での生産、アッセンブリーを視野に入れていることも明らかにした。「タイで習得したモーターと減速機の組み立て方や品質保証のポイント、検査方法などのスキルを移転する」考えだ。

 ジヤトコは20年代半ばにもモーターとインバーター、減速機を一体化したeアクスルを投入し、日産のEVシフトをサポートする考え。eアクスルは次期eパワーで開発した技術を活用する方針で、佐藤社長兼CEOは「eパワーと技術的に似ておりEVにも使える。コンピタンスを高めていく」と強調した。

 開発中のeアクスルについては、日産が英国、アライアンスを組むルノーがフランスで進めるEVシフトにも応えていく考え。佐藤社長兼CEOは「欧州での車両投入に合わせてサポートしていく。新工場を作るケースもある」との見解を示した。

 佐藤社長兼CEOは、日産が進める電動化戦略の中で、駆動系については設計開発から生産まですべて担う事業体制の構築を目指している。「先行技術開発は日産が担うだろうが、現行技術での次期型開発は当社が担えるように努力していく」方針だ。