自動車リサイクル促進センター(JARC、中村崇代表理事)が発表した昨年11月の使用済み自動車(ELV)の発生台数は約24万台で、このうち電気自動車(EV)とハイブリッド車(HV)は約5千台にとどまる。ELVに占めるEVの割合はまだ低く、「現在解体される車は15年くらい前のものが多く、EVは入庫自体がまだまだ少ない」(業界関係者)状況だ。

 今後、普及が本格化する見通しのEVだが、リサイクル業界での関心はまだ低い。ただ、EV普及の本格化に危機感を持つ関係者もいる。使用済みEVが増加した際、リチウムイオン電池の処理が大きな問題となることも予想されるためだ。

 EVは従来のガソリン車と比べて部品点数が半分から3分の2に減るとされる。「中古パーツで利益を上げてきた事業者は影響を受けるのではないか」との声もある。