最終戦でシリーズチャンピオンを決めたマックス・フェルスタッペン選手

ホンダが12日にアラブ首長国連邦で開催されたF1(フォーミュラ・ワン)最終戦のアブダビグランプリで有終の美を飾った。ホンダがパワーユニットを提供するレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手が優勝し、2021年のF1ドライバーズタイトルを獲得した。アイルトン・セナ選手以来30年ぶりとなるチャンピオン獲得でホンダは最後のF1を締めくくった。

47年ぶりに上位のドライバー2人が同点で迎えた最終戦。ポールポジションを獲得したフェルスタッペン選手はスタートに失敗し、年間王者を争う2位のルイス・ハミルトン選手がトップに立つと、その後周回を重ねるごとに2人の差は開いていった。

ところが、終盤にニコラス・ラフィティ選手(ウィリアムズ)がクラッシュしたことで54周目(全58周)にセーフティカーが出動すると、フェルスタッペンは3度目のタイヤ交換で新品のソフトタイヤを装着。それまで20秒以上あった2人のタイム差がなくなった状態で再開した最終周にフェルスタッペン選手がハミルトン選手をかわし、優勝を勝ち取った。

コンストラクターズランキングではメルセデスにあと1歩届かなかったレッドブル・ホンダだが、今季10勝目を挙げたフェルスタッペン選手が自身初の年間王者の座を獲得。同じくホンダがパワーユニットを提供するアルファタウリ・ホンダの角田裕毅選手もキャリアハイの4位に入賞した。

ホンダは1964年にF1に初参戦。その後、撤退と復帰を繰り返し、2015年からの第4期では19年に復帰後初優勝を遂げた後、徐々に成績を伸ばし、ついに年間チャンピオンになった。今後、F1にかけていたリソースを環境対応に振り向けてカーボンニュートラルの実現を目指す。三部敏宏社長は「最後の最後までチャンピオンへの可能性をあきらめないで攻め続ける姿に感動した。(ホンダで)プロジェクトに携わった全てのメンバーには『本当によくやってくれた!』という思いでいっぱいだ」とコメントした。

(2021/12/13修正)