マツダは9日、下肢障害者向けの手動運転装置「セルフエンパワーメントドライビングビークル(SeDV)」を開発し、「MX―30」向けの予約受注を開始した。手動運転とペダルによる運転操作を容易に切り替えられる点が特徴で、健常者と障害者がどちらも運転を楽しむことができる。来年1月以降に発売する。

 MX―30SeDVは、手で加減速を行うリング式アクセルとレバーブレーキ、ブレーキサポートボード、移乗ボードを搭載する福祉車両。ディーラーオプションとして、電気自動車(EV)モデルとマイルドハイブリッド車モデルの両方に設定した。価格は52万8千円(取付費込み)。

 福祉車両のため、消費税が非課税になるほか、自動車税制なども優遇されることから通常のモデルと同等の価格で提供できるという。

 同モデルの導入に合わせ、福祉車両の専門知識を備えたスタッフがオンラインで購入相談を受け付ける仕組みも導入する。従来は販売店に専門知識のあるスタッフを配備してきたが、全ての店舗で対応することが難しいため、ウェブを活用し、安心して福祉車両を購入できる環境を整える。