渋谷区で運行中のモビ車両

 WILLER(ウィラー、村瀨茂高代表取締役、大阪市北区)は、乗り合い輸送新交通「mobi(モビ)」の都内2例目となる豊島区内での運行について、12月1日に予定していたサービス開始を延期すると発表した。新たな開始日程は未定で、同社では決まり次第、モビ公式サイトで公表するという。モビの豊島区エリアでの営業については、すでに当初の10月1日開始を2カ月延期した経緯があり、今回が2度目の延期となる。

 モビについては、東京ハイヤー・タクシー協会が国土交通省関東運輸局にサービス許可反対を訴える書簡を提出するなど、東京のタクシー業界が一致してサービス拡大に異を唱えた。関東運輸局もタクシー業界内で相当の不安が生じていることを認めた上で「(ウィラーなどの)実験主体には『こういった実験を行う』ということを業界に説明していただきたい」(髙橋信博自動車交通部長)と述べ、ウィラーがタクシー業界と対話し理解を求めることが望ましいとの考えを示した。ただ、ウィラーは「まだタクシー業界とは接触していない」(広報)としている。

 関東運輸局は11月半ばのハイタク定例会見で、モビの実際の運行予定事業者であるエコリムジン東京(東京都港区)から11月17日までに変更申請が出ていないことを明らかにしており、事実上12月1日開始は難しいとの考えを示唆していた。

 モビ公式サイトによると、豊島区内でのモビのサービスは、JR大塚駅を中心に半径約2㌔の範囲内で行う予定になっている。

(2021/12/6修正)