アルミホールを市販品に交換するメリットを実地検証
〈プロフィル〉井入 宏之(いいり・ひろゆき)氏 レーシングドライバー。2006年「SUPER GT・GT300クラス」シリーズチャンピオン。セントラルサーキット社長。52歳。大阪府出身。ニックネームは「シャーク井入」
テストに使用したトヨタ「ランドクルーザープラド」
もう一台のテストカー、スズキ「ジムニー」

 クルマのホイールを交換することで得られるメリットとは何か-。厳密な数値テストではない感覚的な乗り比べではあるが、レーシングドライバーにその違いを確かめてもらうテストに、アルミホイールメーカーのレイズ(三根茂留社長)がチャレンジ。「RAYS4×4鍛造ホイール/TOYOタイヤ比較検証」と題して11月4日、トーヨータイヤと兵庫スズキのスズキアリーナ須磨/芦屋中央、泉佐野みどり推進機構の協力のもと実施した。人気のSUV2台をテストカーに使用し、大阪府泉大津市の多目的広場「泉大津フェニックス」で走行して違いをつかんだ。

(関西支社・室翔大)

 走行テストでは、新車装着の鋳造アルミホイールを同社製鍛造アルミホイールに履き替え、タイヤを同一製品に交換。ホイールによって異なる走行感を抽出しやすくなるように条件を整えた。同社では「純正ホイールはあらゆるジャンルのユーザーに向けて想定したオールラウンドな対応ができるよう開発設計されているが、今回のテストではパフォーマンスに特化したホイールとの差がどこにあるのかを検証したいと考えた。鋳造と鍛造の剛性の違いが体感できれば」と狙いを述べた。

 テストドライバーはセントラルサーキットの社長で、レーシングドライバーでもある井入宏之氏が担当。乗車時の各ホイールの体感的な違いを比較した。

 テスト車にはトヨタ「ランドクルーザープラド」とスズキ「ジムニー」を使用した。鍛造ホイールにはレイズの「TE37」シリーズを選んだ。鋳造ホイールと鍛造ホイールの体感的な違いを加速、制動、旋回の3項目で評価・検証した。

 加速性能の比較ではスタート位置から通過ラインまでのタイムを計測、制動性能の比較では加速した後、停止線から完全停止位置までの距離を測定した。測定値では、両車両共に同社製鍛造ホイールを装着した方がタイム、制動距離を縮めた。井入氏は「体感では鍛造ホイールの動き出しが軽快。ブレーキを踏んでからのレスポンスも早く、自分の足の動きに誤差なく連動していると感じた。走行中の慣性モーメントの違いも期待したが、そこまでの違いは感じ取れなかった」と評価を述べた。

 旋回中の性能とフィーリングは、パイロンスラローム走行で比較、検証した。井入氏は「鍛造と鋳造の剛性の違いを感じた。鍛造ホイールはハンドル操作のレスポンスが早い。余分な動きがなく、アクセルを離さず走行できた。鋳造ホイールは後半のパイロンでアクセルを離す必要があった」と操作感の違いを話す。

 井入氏はテストを振り返り、「車の足回りに大きな負荷が入力された時に剛性の違いをより感じさせられた。ホイールの重量の違いも差になるだろうが、リムとディスクの重量配分の差による違いも体感できた。鍛造ホイールは操作性が高く、走行中の予期せぬ事態に対する急激なブレーキやハンドル操作時に、有用性を発揮するだろう。電子制御が発達し車の性能は高まっている。その性能をより発揮するには車とタイヤをつなぐホイールが重要だということを証明できた」と、剛性感に優れる鍛造ホイールのメリットをコメントした。