スタートアップ運営のショールームでアリアをアピール

 日産自動車は11日、米シリコンバレー発のスタートアップが展開する体験型ショールーム「b8ta(ベータ)」(東京都渋谷区)に新型電気自動車(EV)「アリア」を15日から12月28日まで展示すると発表した。ベータは販売を目的としない店舗で、ジャンルを問わず国内外の先進的な商品を展示しているのが特徴。若年層を中心に人流が多い渋谷駅前の立地を生かし、従来のショールームでは接点が持てなかった消費者に新型EVを訴求する。

 ベータは家電や化粧品、食料品など幅広い商品を集めた“売らない”ショールーム。渋谷駅前に開設した国内3店舗目となる「ベータ Tokyo Shibuya」では可動式什器を導入したことで、初めて車両展示を可能とした。日産は自社スタッフ1人とベータスタッフ1人の2人で対応し、展示車両の説明に加えて、目的地設定や空調などを車外から操作するコネクテッド機能などが体験できるようにする。

 日産は販売を目的としないショールームとして銀座に「ニッサンクロッシング」(東京都中央区)を展開、ディーラー店舗でもセールスをしない専門スタッフを配置するなどブランド発信を行っているが、ベータは「日産の枠を越えた場所でこれまでと異なる消費者とのタッチポイント」(日本マーケティング本部の増田泰久副本部長)と位置付ける。ベータでは来店客の属性などを収集し出店社にフィードバックする仕組みを採り入れており、日産はこうした情報から新たなマーケティング戦略に生かす考え。