スバルは11日、同社が初めて世界展開する電気自動車「ソルテラ」を公開した。トヨタ自動車との共同開発車両ながら、スバル独自のデザインやAWD(全輪駆動)、衝突安全技術を取り入れて「スバルらしい本当にいいクルマ、いいEVに仕上げた」(中村知美社長)とする。2022年年央までに日本や米国、欧州、中国などに投入する。

 ソルテラはトヨタ「bZ4X」の兄弟車。両社が共同開発したEV専用プラットフォーム「eスバルグローバルプラットフォーム」を採用し、操縦安定性とステアリング操作に対する応答性を高めた。悪路走行に優れるスバルの車両統合制御技術「Xモード」も搭載した。

 バッテリー容量は71・4㌔㍗時で航続距離は前輪駆動車が530㌔㍍前後、AWD車が460㌔㍍前後になる見通し。駆動用電池はプライムプラネットエナジー&ソリューションズ(PPES)と中国CATLから調達する。

 bZ4Xとは主にデザインを差別化した。フロントマスクにはスバル独特のヘキサゴン(六角形)グリルを採用。ヘッドランプには「Cシェイプ」と呼ぶデザインを取り入れた。ウィンカーも既存のスバル車と同様な作動音を使用し、スバル車に乗り慣れたユーザーが違和感なく運転できるよう工夫した。

 デザイン以外では、足回りをスバル車らしい安定性重視のセッティングにした。路面状況のフィードバックを優先してステアリング系はメカニカル式とし、トヨタが採用したステアリング・バイ・ワイヤの搭載を見送った。車両はトヨタの国内工場で生産する。