日本を含む15カ国が参加する「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定」が2022年1月1日付で発効することが決まった。当面はすでに同協定の批准手続を終えた10カ国間で運用される。RCEPは世界の国内総生産(GDP)と貿易総額、人口の約3割を占める巨大な経済圏となる。日本にとっては貿易量の多い中国と韓国との間で結ぶ初の経済連携協定(EPA)としても注目される。時間はかかるが、電動車の関連部品も将来的な関税撤廃に向けて段階的な引き下げを予定しており、日本の自動車産業へのメリットも期待できる。

 来年1月1日に同協定が発効する10カ国は日本に加え、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟のブルネイ、カンボジア、ラオス、シンガポール、タイ、ベトナムと、オーストラリア、中国、ニュージーランドとなる。11月2日にオーストラリアとニュージーランドの批准手続が完了したことで、協定で規定された発効要件を満たした格好。これを受け、外務省や経済産業省は「世界の成長センターであるこの地域と我が国とのつながりがこれまで以上に強固になり、我が国及び地域の経済成長に寄与する」と、日本としてRCEP発効を歓迎するコメントも公表した。

 RCEPが本格稼働すれば、日本が享受する経済効果は大きい。政府は今春、RCEPによって日本の実質GDPを最終的に約2・7%押し上げるとの試算結果を明らかにした。19年度の水準で換算すると金額ベースで約15兆円相当となり、日本経済の底上げにつながるのは間違いない。

 また、15カ国全体で日本から輸出する場合の関税撤廃率は品目数ベースで91・5%となる。この中で、初めてEPAを結ぶ中国と韓国の自動車部品ではそれぞれ約87%、約78%の品目について段階的な関税撤廃が決まっている。しかし、駆動用の電池やモーター関連の部素材では撤廃までに十数年超を要するものもあり、次世代車づくりでのサプライチェーンの激しい攻防はしばらく続きそうだ。

 RCEP協定は20年11月に15カ国が署名。日本は今年6月、国内手続を終えていた。今後は残る5カ国の発効のタイミングや交渉から離脱しているインドの復帰への働きかけが焦点となりそうだ。