信号機がない横断歩道でのクルマの一時停止率は調査開始以来、上昇を続けている

 日本自動車連盟(JAF、藤井一裕会長)は、信号機が設置されていない横断歩道でのクルマの一時停止状況に関する全国実態調査の結果を発表した。歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止したクルマの割合は、前年の調査時と比べて9・3ポイント増の30・6%で、2016年の調査開始以来、過去最高となった。毎年増加傾向にはあるものの、未だに約7割のクルマが止まっていない。都道府県別で見た一時停止率では、今回初めて1桁台の地域がゼロになった。

 同調査は、各都道府県で2カ所、全国計94カ所の信号機がない横断歩道を通過する8281台の車両を対象に行った。期間は8月11~30日のうちの平日で、午前10時~午後4時に調査した。

 都道府県別の一時停止率で最も高ったのは長野県で、過去最高の85・2%だった。次いで静岡県の63・8%、山梨県の51・9%と続いた。

 対照的に、最も一時停止率が低かったのは岡山県で、10・3%だった。ワースト2位は東京都で12・1%だった。

 今回の調査で、一時停止率が一桁台の都道府県がゼロとなったことに対して、JAFは「各地の行政と連携した啓発活動などの取り組みが奏功した」と分析する。ただ、「まだ約7割のクルマが止まっていない。状況を変えるには一人ひとりの思いやりが必要。優しい運転を心がけてほしい」とドライバーに呼びかけている。

 同調査は、JAFが16年に実施した「交通マナーに関するアンケート調査」の中で、「信号機がない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているのに停止しないクルマが多いと思う」との回答が86・2%に上ったことを受けて、実態を把握する狙いで始めた。同年の一時停止率は7・6%だった。