いすゞ自動車は28日、国内メーカーで初めて液化天然ガス(LNG)を燃料にした大型トラック「ギガLNG車」を発売したと発表した。LNGにしたことで、充填時間をディーゼル車と同等レベルに短縮するとともに、1充填当たりの航続距離を1千キロメートル超に伸ばした。

 ギガLNG車は、2021年7月に発売したギガのCNG(圧縮天然ガス)車に採用したエンジンをベースに、LNG独自の燃料システムを組み合わせた。LNGはマイナス162度より温度が高くなると気化するため、保冷効果が高いタンクを採用。燃料の供給時にはタンクに備え付けられた熱交換器でLNGを加温して気化する。

 18年度から佐川急便などと実証実験を実施してきたモデルを本格販売する。ディーゼル車と比べて都市間輸送時の二酸化炭素(CO2)排出量を約10%削減できる環境性能を打ち出し、カーボンニュートラルに向けて物流業界で高まる環境ニーズに応える。

 代表車型(25トン車、ハイルーフキャブ標準装備、キャブ付きシャシ車など)の東京地区希望小売価格は3466万3200円(消費税込み)。