ホンダは28日、屋根付きのビジネス用電動三輪スクーター「ジャイロキャノピーe:」を29日に発売すると発表した。新型の交換式バッテリー「ホンダモバイルパワーパックe:」を2個搭載し、フル充電した状態での航続距離を旧型バッテリーの1・2倍となる77キロメートルに伸ばした。ホンダのビジネス用電動バイクは3機種がそろい、2025年に原付一種のビジネス用途のオートマチックトランスミッション(AT)モデルに占める電動バイクの販売構成比を70%超に引き上げる計画だ。
ジャイロキャノピーe:には、容量を増大し、扱いやすいハンドル形状に変更した新開発のモバイルパワーパックe:を2個搭載する。駆動電流の制御技術によって充電1回当たりの航続距離を77キロメートル(時速30キロメートル、定地走行テスト値)に伸ばした。電池は現行製品と互換性があり、電動二輪スクーター「ベンリィe:」、電動三輪スクーター「ジャイロe:」にも使用できる。大型のウインドースクリーンやルーフを装備したほか、デッキタイプの荷台や後進アシスト機能を採用する。
ホンダでは原付一種ビジネス用ATモデルに占める電動バイクの販売比率が現在、約20%にまで増えている。環境意識の高まりとラインアップ拡充で、25年には70%超となる見通し。新型車の発表会でホンダモーターサイクルジャパンの室岡克博社長は「電動バイクが『スーパーカブ』のように身近な存在となるよう普及に取り組む」と述べた。
ジャイロキャノピーe:の価格は71万5千円(消費税込み)。年間1千台の販売を目指す。