高速バス大手のWILLER(ウィラー、村瀨茂高代表取締役、大阪市北区)が7月1日に東京都渋谷区で開始した乗り合い輸送の新交通サービス「mobi(モビ)」について、東京ハイヤー・タクシー協会(東タク協、川鍋一朗会長)は、国土交通省関東運輸局にサービス認可に反対する内容の書簡を複数提出したことを明らかにした。モビは、サービスエリア内なら30日定額・乗り放題で乗り合い車を使える新サービスで実証実験を展開中。「災害の場合その他緊急を要するとき」などに乗り合い運送の特例を認める道路運送法第21条に基づき認可されたが、東タク協はこの措置に納得できないとし、関東運輸局に説明を求めた。

 モビは渋谷区では東京エムケイのハイヤーが実際の運行を担う。ウィラーは京都府京丹後市でもサービスを行っており、2025年までに全国100エリア(70自治体)で展開する計画を掲げた。

 東タク協の西澤明洋経営委員長によると、これまで2度にわたり質問書などで同局に許可の経緯と今後の対応について説明を求めたが納得できる回答が得られなかった。このため今月に入り、川鍋会長名で道路運送法第21条による乗り合い運送許可による運行の中止を求める意見書を提出した。

 西澤委員長は「バス業界やわれわれが看過できない営業だ」と述べて警戒感をあらわにするとともに、会員らに「地元でそのような動きがあった場合、協会なり経営委員会にお知らせいただきたい。先手で対応していく」と情報収集への協力を要請した。

 東タク協はこれとは別に、都議会主要4会派が開いた来年度予算ヒアリングでも、都に運行阻止を働きかけるよう要望した。

 その一方、ウィラーは都内では来月、豊島区でもサービスを始める予定で、タクシー業界のさらなる反発を招く恐れがある