電動車いすの開発、販売を手掛けるWHILL(ウィル、杉江理社長、東京都品川区)は、新車ディーラーによる販売拠点を2022年末までに1千拠点に拡大する。免許返納後の高齢者への商材として訴求し、全47都道府県に代理店網を整備する。

 同社は、自社開発した電動車いす「ウィルモデルC2」をサブスクリプション(定額利用)サービスとして直接ユーザーに提供するほか、全国で代理店による販売店網を広げてきた。特に、運転免許証返納後の乗り物としての商材を探している新車ディーラーからの関心が高いという。

 16日に開催したオンライン記者説明会で、日本事業本部の池田朋宏執行役員本部長は「運転免許証返納後の移動手段として市民権を得始めている」とさらなるネットワークの拡大と商品の普及に手応えを示すとともに、販売代理店となった新車ディーラー拠点が全国で430店舗になったことを公表した。6月から運転免許証を返納した高齢者の新たなモビリティとして訴求する取り組みを展開するなどし、この3カ月間でおよそ2倍に拡大したという。

 現在、代理店となっている新車ディーラーはトヨタ系、日産系、ホンダ系、ダイハツ系、マツダ系、三菱自系など計31社にのぼる。拡販の取り組みを始める前の6月時点では16社220店舗だった。試乗車を配置する拠点も160店になるなど、販売網の拡充に成功している。

 同社が新車ディーラーを対象に行ったアンケート調査によると、68%が「(高齢ドライバー本人やその家族から)運転免許証返納の相談を直近で受けた」と回答したという。実際、20年に運転免許証を自主返納した人の数は約55万人で、過去最高だった19年の60万人に次ぐ高水準の状況が続いている。

 新車ディーラーによる代理店があるのは現在18道府県にとどまる。今後は、未出店エリアを中心に新たな代理店募集にも取り組む。1千店を目指す22年末までには、全国に代理店を構える計画だ。