納期の長期化が長引けば販売への影響は避けられない(写真はイメージ)

 トヨタが8、9月に大規模な減産に踏み切る影響が販売現場にも広がっている。具体的な影響台数などはディーラーに示されていない模様で「配車がどの程度減るのか情報が入ってこない状況で先が読めない」(東北地区のディーラー役員)と不安感が高まっている。ディーラー各社は、常態化する長納期化を受けて代替提案時期を早めるなど対応してきたが、営業活動の「さらなる見直しも必要だ」(関西地区のディーラー首脳)など顧客フォローと社内体制整備の両面で対応に迫られている。

 「納車待ち客をリストアップし、1件1件説明する」(中部地区のトヨタディーラー役員)。トヨタが8月下旬から9月に国内全工場で最大22日間の稼働停止を発表した翌20日、全国のトヨタ系ディーラーから長納期化の悪化を危惧する声が相次いだ。

 これまでも半導体不足などで「ヤリス」などの納期が通常よりも大幅に伸びており、こうした状況を織り込んで代替提案を前倒しするなどしてきた。こうした中でのさらなる減産について「トヨタ車の需要は高まっているが、(納期がさらに遅れれば)チャンスロスが出るのではないか」(関西地区のトヨタディーラー首脳)と好調な受注台数への影響を懸念する声も出てきた。

 こうした中、「超長納期化」による販売店業績への影響も不安視され始めている。東北地区のディーラー役員は「業績への影響は大きい。国内の減産分14万台のうち、どの程度が国内販売分なのか。情報が無く、先が見通せない」と苛立ちを見せる。

 別のディーラー役員も「きっと、10月以降の生産も見えてこないのではないだろうか。どのようになるのか想定できない」(北陸地区のトヨタディーラー幹部)と出口が見えない状況に不安感を募らせる。20日にはダイハツ工業もトヨタの小型SUV「ライズ」などを生産する滋賀第2工場などを最大17日間停止すると発表。主力車種のさらなる長納期化は避けられない情勢だ。「新車販売以外での増収策を考えなければ」(東北地区のトヨタディーラー役員)など、非新車部門のテコ入れなどに乗り出す動きも活発化してきており、トヨタディーラー各社の危機対応力が問われ始めている。