スズキは5日、「未定」としていた2022年3月期の業績予想を公表した。売上高は前年比7・0%増の3兆4千億円と3期ぶりの増収を見込む一方、営業利益は同12・6%減の1700億円と4期連続の減益になる見通し。半導体不足による工場稼働への影響が年度末まで続くとみているほか、原材料価格の高騰や研究開発費の増加が利益を圧迫する。研究開発には同3割増の1900億円を投じて電動化への対応を加速する。
4~6月の業績は3期ぶりの増収増益となった。四輪車販売はインド、日本、欧州などの増加で同136・8%増の62万4千台に拡大。二輪車は同32・3%増の36万3千台になった。諸経費などの増加や原材料価格の上昇が減益要因となったものの、販売台数の増加と為替影響でカバーし、利益を積み上げた。
通期の四輪販売台数は、半導体不足の影響を受けるものの、市場の回復などで同5・4%増の271万1千台を想定する。当期利益は、旧豊川工場跡地の売却益などによって同2・4%増の1500億円と2期連続の増益になる見込みだ。