住友ゴム工業は、白河工場(福島県白河市)で、タイヤ製造に水素を活用する実証実験を始めると発表した。同工場のメタルコア製造システムと呼ばれる工法に水素ボイラーを導入し、カーボンフリー水素調達も検討するなどタイヤのライフサイクルを通じた二酸化炭素(CO2)排出量を低減につなげる。実証実験期間は8月から2024年2月までで、将来的には同工場全体と国内外の工場への展開を計画する。

 「NEO―T01」というメタルコア製造システムの工程に水素エネルギーを活用する。水素は福島県で製造されたものを使用し、エネルギーの地産地消モデルを構築する。水素ボイラー導入時の課題になる窒素酸化物(NOx)排出量のコントロールをはじめとした24時間連続運転での課題を洗い出し、生産エネルギーを水素に転換するための有効性を評価する。

 同社は50年に工場のCO2排出ゼロを目指す方針を示している。

 同事業は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として支援を受ける。