三菱電機の漆間啓新社長は28日、都内で就任会見を行い、冒頭で鉄道車両向け空調装置の検査不正による品質問題など一連の不適切行為に対し、「顧客、株主をはじめとする社会の多くの皆さまに大変ご迷惑をおかけしていることを深くおわびする」と陳謝した。漆間社長は同社の現状について「当社グループに対するステークホルダーからの信頼は失われ、創立以来の危急存亡に直面している」との認識を示した上で、「新社長として企業風土の刷新と信頼回復に務める」と話した。

 会見には取締役指名委員会の薮中三十二委員長も出席。候補者選定の経緯については「社外からの候補者も議論したが、品質管理の問題を考えると現場に精通した人間でないといけない。また、従業員の信頼を得ている人間である必要があるとして社内に絞って選定を始めた」と説明した。

 指名委員会の選定では部下や同僚、上司による360度評価制度やコンサルティングを活用した第三者によるインタビューなどを基に段階的に絞り込み、最終的に漆間専務を新社長に選任した。

 漆間社長は品質の不適切事案がある中での社長就任について、「在任中に問題を発見できなかったことを重く受け止めている。その中で(社長就任を)受けるべきかどうか自問した。ただ三菱電機が危急存亡にある中で、その機会を与えてもらえるならば、身を粉にして取り組んでいく必要があると覚悟を決め決断した」と話した。

 今後の対応については「品質に係る担当執行役を選任したい。現在の品質部門は各事業本部に属しているが、これを品質担当執行役の傘下に入れることで出荷権限を渡したい。また外部からも招へいして新しい考え方も入れていく」との意向を示した。