大森自動車の提案するキャンピングカー「コンパス」。ポップアップルーフが特徴的だ
トヨタレンタリース大阪「レンピングパッケージ」は車中泊可能な車両とキャンプ用品をセットで提案
「OGCパワーユニット」を使えばキャンプ場からリモートワークも可能に
キャンピングカーや車中泊仕様車の実車に触れる機会の人気は根強い(写真はモーターキャンプエキスポ2021)
タックが販売する「GIワークス・ルーフトップテント」は女性でも簡単に展開できる

 新型コロナウイルス感染症が流行する中で「3密」を避けて楽しめるレジャーとして、オートキャンプが注目を集めている。最近はより便利で快適なワンランク上のアウトドアライフを楽しみたいというニーズが高まり、キャンプグッズにこだわるキャンパーが急増している。こうした動きをにらみ、自動車販売店やカー用品メーカーが商品ラインアップの拡充に取り組んでいる。各社とも商機をうまく掴み新たな収益の柱に育てることを狙っている。(関西支社 大谷学、舩山知彦)

 キャンピングカー専門店を手掛ける大森自動車(大阪府忠岡町)の大森太朗社長は、「近年はキャンプ道具へのこだわりが強くなっている」とユーザーの様子を明かす。同社の取扱車両の中で注目を集めているのは、快適な車内空間作りに特化したホワイトハウス製「コンパス」だ。ワイドボディーのトヨタ「ハイエース」に「ポップアップルーフ」を装備。天井を跳ね上げるだけで、車上に大人2人がゆったり眠れるベッドルームが広がる。

 室内幅が広く、車体の横方向に大人用ベッドが設置できるほか、車載バッテリーで駆動可能なエアコンをオプション設定。「キャンピングカーの中では取り回しも良好」(大森社長)だと使い勝手をアピールした。

 新たな需要を捉える動きはレンタカー会社にも広がってきた。トヨタレンタリース大阪(横山昭一郎社長、大阪市北区)は、トヨタ「ハイエース」をベースとした車中泊が可能な車両を導入し、21日から貸出を開始した。4枚のクッションボードを並べるだけで荷室がベッドに変身する。車両はテーブルやクーラーボックス、キャリーカートなどをパッケージして貸し出すことにした。このプランにレンタカーとキャンピングをかけ合わせた造語「レンピング(Renping)」という名前を付け提案している。

 キャンプ用品の販売に力を入れる企業もある。スズキ「ジムニー」を専門に取り合う老舗店のタック(唐原恭二社長、大阪府羽曳野市)が販売を始めたのは「GIワークス・ルーフトップテント」だ。昇降用はしごを取り付けて左右のロックアタッチメントを外し、屋根を開くだけで大人2人が就寝可能なスペースを創り出す。組み立て所要時間は3分程度。パネルは軽量な高純度アルミニウム製で、女性も手軽に扱える。同社はジムニー用アタッチメントとセットで販売している。

 クルマのDIY関連製品を製造・販売するエーモン工業(川岸浩二社長、兵庫県福崎町)は、昨年2月にアウトドア用品ブランド「オージーシー(OGC)」を立ち上げた。特にキャンパーの関心を引き付けているのが「OGCフィールドパワーユニット」だ。船舶などで用いる直流12㌾のディープサイクルバッテリー(繰り返しの充放電に強い蓄電池)の電力を、交流100㌾に変換する装置。キャンプ場で扇風機や簡易冷蔵庫などの電化製品が使用できるため、より快適にアウトドアを楽しめる。

 快適なキャンプを楽しみたいというニーズは、特に新型コロナウイルス感染症の流行後に盛り上がった。7月3、4日に万博記念公園(大阪府吹田市)で開催されたキャンピングカー・アウトドアビークルの商談・展示即売会「モーターキャンプエキスポ2021」には、2日間で約8千人が来場した。出展したキャンピングカーのビルダーからは「納車まで1年半かかる状況だが、受注がどんどん上積みされていく」と手ごたえを示す声が聞かれた。

 また、キャンプグッズ市場の拡大は、従来からのキャンプ愛好家にとっても「選択の幅が広がる」と歓迎ムードがみられる。他者との接触を回避しながら余暇を楽しめるキャンプレジャーのニーズは、今後も勢いが続くと見られ、市場が一段と活発化していくことになりそうだ。