ボルボ「コンセプトカー・リチャージ」

 ボルボはスウェーデンを本拠とする自動車メーカーです。鉄鋼メーカーの子会社が源流で、1920年代に自動車製造に進出しました。乗用車部門と大型トラックなどの商用車部門がありましたが、乗用車部門を分離し1999年にフォード・モーターに譲渡しました。それ以降は商用車メーカーとして自動車ビジネスを展開しています。

 商用車分野では、86年にゼネラル・モーターズ(GM)、99年にルノーの大型トラック部門をそれぞれ買収し、2007年には日産ディーゼル工業(現UDトラックス)を完全子会社化するなど、グループとして複数の商用車ブランドを展開しています。20年にはいすゞ自動車との戦略的提携を締結し、これにともない21年4月にUDトラックスをいすゞに譲渡しました。いすゞとは今後、共同購買や先端技術開発などでシナジー創出を図る方針です。

 その一方、乗用車部門はフォード傘下入りを機に社名がボルボ・カーズとなり、2010年には中国の浙江吉利控股集団(ジーリー・ホールディンググループ)の完全子会社となりました。

 その世界新車販売台数は19年まで6年連続で過去最多を更新し、20年は過去2番目に多い66万1713台を販売しました。年産台数が70万台規模の小さな自動車メーカーですが、3点式シートベルトを世界で初めて実用化するなど1950年代から安全技術を軸としたブランドイメージを確立し、多数のファンを獲得しています。

 環境対応にも力を入れており、今後は25年までに電気自動車(EV)の販売比率を50%に引き上げ、30年には内燃機関の搭載車を廃止してEV専門メーカーになる計画です。

 日本ではボルボ・カー・ジャパンを設立、20年に新車を1万5547台を販売しました。同年には全車種の電動化を完了、21年後半には新型EV「C40」を投入予定です。C40はオンラインでのみ販売するなど、新たな販売手法にも取り組みます。25年には国内年販2万5千台、EV販売比率35%を目指します。

=おわり=