マーレは、ドイツ・シュトゥットガルトの本社に新たな3Dプリントセンターを設置したと発表した。プリンター本体や粉末調整機、試験室、部品の仕上げ処理を行うブラストシステムなどの機器を設置した。顧客からの注文のみならず、自社内での試作品製作にも活用する。これまで数カ月を要していた複雑な部品コンポーネントの試作品製作は数日に短縮できるという。

 新施設では熱マネジメントやメカトロニクス、エレクトロニクス領域の部品を中心に量産に向けた製造プロセスを開発する。使用する材料は弾力性や耐腐食性、重量の最適化を実現する特殊なアルミニウムとステンレススチールの合金となる。

 現在マーレは、3Dプリンターの活用を積極化している。高価な金型が不要になり、従来の方法では製造できなかった複雑な構造体を作れるメリットがあるためだ。

 昨年7月には工作機械などを手がける独トルンプと、3Dプリンターを活用した世界初のアルミピストンを開発。レーザーが指定された層の厚さに金属粉末を溶融し積層する金属積層造形で、「ポルシェ911GT2RS」を使った開発試験では、700馬力に達するエンジン効率の向上と30馬力の出力向上を実現している。