日産自動車は28日、欧州で今夏に発売予定の新型「キャシュカイ」に、アルミニウム端材を再利用する手法「クローズドループ・リサイクル」を適用すると発表した。新型キャシュカイではフードやドア、フロントフェンダーにアルミ板を採用することで旧型に比べ約60キログラム軽量化する。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて資源を有効活用し、製造時に発生する二酸化炭素(CO2)排出量削減に貢献する。

 同手法は生産時に発生した廃棄物や使用済み製品などを材料として加工し、再び車両の部品に採用する手法。北米向け「ローグ」で本格適用を始めた。今回欧州で生産するモデルとして初めて活用する。

 アルミスクラップをサプライヤーに還元し、アルミ板に加工後、英国サンダーランド工場に輸送。キャシュカイのフードやドア、フロントフェンダー向けのアルミ材として利用する。同工場には2台目の超大型プレス機とリサイクル用大型エア搬送システムを導入し、効率的にスクラップを細断するなどの体制を確立している。アルミスクラップをリサイクルすることで原材料から同量のアルミを造るのに必要なエネルギーの90%以上を節約できるとともに、新規採掘資源の使用量削減にも貢献する。