移動会議室の室内空間

 日産自動車やソフトバンク、ゼンリンなど5社は25日、東京都と神奈川県の一部地域を対象に、車での移動中にウェブ会議ができる「移動会議室」の実証実験を6月28日から実施すると発表した。ミニバン「エルグランド」で移動しながら打ち合わせなどができるよう車両内装や通信環境、運行サービスなどの環境を整備。3カ月間効果を検証し、移動時間の有効活用を通じた多様な働き方の支援につなげる。

 日産、ソフトバンク、ゼンリン、大日本印刷(DNP)、クワハラの5社が実証を手がける。6月28日~9月24日の平日午前9時~午後6時で、都内の一部区域と横浜市、川崎市、横須賀市内で行う。5社の取引先の役員クラスやクワハラの顧客などの利用を想定する。実証中は無償で利用でき、アンケートの回答を通じて金額の設定やサービスの実現性を探る。

 エルグランド(VIP2列シート)を採用し、後部座席の前面に32インチのディスプレーの設置や前席と後部座席との間に遮音壁を導入するなど改装を行う。通信環境はソフトバンクが5G(第5世代移動通信システム)を含むネットワークを提供。DNPが開発したコミュニケーションツールを使って運転手と連絡を取り車両を停車することで、会議終了前に目的地に到着しても会議室として利用できるようにする。予約受付などはクワハラが担う。