左から樋口氏、安藤氏、堀江氏、APB進藤康裕取締役

 三洋化成工業の子会社で次世代リチウムイオン電池(LIB)の開発を手がけるAPB(堀江英明社長、東京都千代田区)は25日、全樹脂電池の量産第1工場となる「APB福井センター武生工場」(福井県越前市)で開所式を開催した。開所式は新型コロナウイルス感染症が拡大する中、規模を当初予定から大幅に縮小して感染予防を徹底し、堀江社長や三洋化成の安藤孝夫社長、樋口章憲副社長がテープカットを行った。完成した同工場では、今月試運転を開始し、10月にも本格稼働する。

 新工場は、越前市庄田町に3万2842平方㍍の敷地を持ち、延床面積9628平方㍍の鉄骨2階建の建屋を持つ。量産当初は、特殊用途用を中心に生産し、その後、高エネルギー密度という特徴を生かし定置用蓄電池や各種モビリティ用途にも対応し、生産を拡大させていく計画だ。

 式典では堀江社長が「当地において第1量産工場を開所でき、関係者の方々のお力添えに心より感謝します」と挨拶した。安藤社長は「世界初の全樹脂電池の量産工場の開所ということで、心よりお祝い申し上げる。全樹脂電池を世に広め、事業を発展させるよう今後も支援を行っていく」と祝辞を述べた。