特別仕様車GT―Rニスモスペシャルエディション

 日産自動車は、「GT―Rニスモ」と特別仕様車「GT―Rニスモスペシャルエディション」の2022年モデルを10月に発売すると発表した。「終わりなき進化」(田村宏志チーフ・プロダクト・スペシャリスト)を追求するモデルとして、新たなボディーカラーの設定に加え、エンジン性能の一段の向上や軽量化技術の積極投入など、最新のテクノロジーを詰め込んだ。

 GT―Rは07年に登場して以降、改良を続けてきた日産車を象徴する高性能スポーツカー。GT―Rニスモは、レース参戦を通じて培ってきた知見を生かし、14年に発売したハイパフォーマンスモデルだ。これまでのGT―Rの進化の一例として、川口隆志チーフ・ビークル・エンジニアは「07年当時は480馬力だったが、現在は600馬力にまで出力アップを実現した」ことを挙げ、吸気や燃焼効率などでも改善を加えたことで燃費も向上してきたという。

 新たに発表した22年モデルのボディーカラーには、レーシングフィールドから着想を得た新色「ニスモステルスグレー」を採用した。レースの路面を彷彿とさせる色であっても「風景になじんでしまうことはなく存在感をひときわ際立たせる」(グローバルデザイン本部の森田充儀主管)との思いから、青色とグレーのバランスを取った色合いに仕上げた。

 特別仕様車では、エンジンをさらに進化させるため、エンジン部品の精度を徹底的に磨いた。ピストンリングやコンロッド、クランクシャフトなどに高精度重量バランスエンジン部品を採用した。手組みの証として完成したエンジンに貼り付ける匠のネームプレートも専用カラーとした。20㌅の専用レイズ製アルミ鍛造ホイールにはレッドリム加飾を施すなど、車両の随所にレッドラインをあしらった。

 また、軽量化とデザイン性を追求するため、クリア塗装を施したニスモ専用のカーボン製エンジンフードを採用した。カーボン素材の特徴を実際に外に見せることで独自のデザイン性を強調。さらに塗装工程を省いたことで100グラムの軽量化も実現したという。

 22年モデルの価格は8月に発表する予定。田村チーフ・プロダクト・スペシャリストは「百聞は一見にしかず。チャンスをつくって車に乗って触れて、われわれの息吹を感じてほしい」と語った。

(長谷部 博史)