日産自動車は5月5日、保有するダイムラーの株式を全て売却すると発表した。売却額は約11億4900万ユーロ(約1507億円)。売却で得た資金は電動化技術などの開発に充て、競争力強化を図る。日産は株式売却後も引き続きダイムラーとの提携関係を継続するとしている。アライアンスを組むルノーも3月にダイムラー株を全数売却しており、2010年から始まった日産・ルノー連合とダイムラーの株式を持ち合う関係は10年強で解消することになった。
日産は、ダイムラー株1.54%を保有しており、1株あたり69.85ユーロで機関投資家に売却する。
日産とダイムラーは2010年の資本提携以降、メキシコでの合弁生産をはじめ、1トンピックアップトラックの共同開発、「インフィニティ」ブランドの小型車開発、商用バンのOEM(相手先ブランドによる生産)供給、「スカイライン」向け2リットル4気筒エンジンの供給など、さまざまな協業を展開してきた。一方で、協業の成果が期待通りに出ていないケースも少なくないのが実情だった。