ソニーは21日、ボーダフォン・ジャーマニーとともに電気自動車(EV)コンセプトカー「ビジョンSプロトタイプ」を5G(第5世代移動通信システム)で走行する試験をドイツ・アルデンホーフェンにあるテストコースで開始したと発表した。

 テスト車両には5Gで車載システムとクラウドが常時接続し、データや制御信号の同期や無線通信でソフトウエアをアップデートするOTA(オーバー・ジ・エア)が可能。試験では、車両に搭載した各種センサーから取得したデータをクラウドへ5Gによる低遅延伝送するとともに、クラウドから車両にリアルタイムで制御する可能性を検証する。高速走行中の車両の通信環境を最適化するための検証と開発を進めるとしている。

 5Gをコネクテッドカーに適用するためには、基地局間をまたぐ走行でもシームレスに接続を維持するためのテレマティクス・コントロールユニットのモデム制御の最適化が必要となる。同社では、通信システムのハードウエア・ソフトウエア設計ノウハウやフィールドテストでの伝搬特性解析などの技術をスマートフォン開発で培ってきた。これらの技術をモビリティ分野に応用していく。