ZFは、車載向けのAI(人工知能)対応高性能コンピューター「ProAI」を開催中の上海モーターショーで発表した。自動車の進化をソフトウエアがけん引する「ソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)」の実現を視野に入れ開発したもので、自動運転や電動化、統合安全など車両制御のソフトウエア機能を集約的に実行する。すでに数件の大型受注を獲得しており、2024年末の量産を予定している。
ProAIは、SDVとE/E(電気/電子)アーキテクチャーの要件に沿うように設計したAI対応の高性能コンピューター。モジュラー形式としたことでさまざまなメーカーのシステムオンチップ(SoC)に搭載できる。24×14×5センチメートルハウジングに納まるサイズとし、設置スペースの節約に寄与する設計となっている。
AI機能はディープラーニングプロセスに最適化している。例えばレーダーやLiDAR(レーザースキャナー)、カメラなどから得られる各種データをGPUを使って全方位で統合。あらゆる自動運転レベルに対応するという。ソフトウエアはZF独自のものに加え、他のデベロッパーやサードパーティーサプライヤーのソフトウエアも動作できるようにした。
ZFは「高性能コンピューター、最先端のソフトウエアソリューション、インテリジェントセンサー、スマートアクチュエーターをワンストップで提供する」としている。