写真はイメージ

 日通総合研究所は、2021年度国内貨物輸送が前年比2・4%増となり4年ぶりにプラス転換するとの見通しを発表した。消費関連貨物は、19年度の水準を下回るものの、日用品や食料工業品などの荷動き増加が期待できるため、同3・4%増の見通し。生産関連は、自動車や一般機械の生産の回復を受け同5・4%増の見込みとした。

 JRコンテナの輸送は、前年度の落ち込みの反動が生じるとともに、専用列車新設の効果などによって同4・6%増とした。JR車扱は、大きなウエートを占める石油の需要回復が見込まれるため同3・8%増と4年ぶりプラスに転換する見通し。

 営業用自動車の輸送量は、同3・2%増とした。ただ、消費関連貨物、生産関連貨物では全体的に堅調な動きが見込まれる一方、新設住宅着工戸数の伸び悩みを背景に建設関連貨物が低調となると予測した。

 自家用自動車では、ほぼ前年度並みの水準を維持する見込み。建設関連貨物は、公共投資が堅調ながら、大規模公共土木工事の執行が期待できないほか、住宅投資が伸び悩むため1%台半ばの減少になるとした。

 国際貨物輸送は、外貿コンテナ貨物で輸出が同5・2%増と3年ぶりのプラスに転ずる見通し。〝コロナ・ショック〟からの反動増が大きな要因とする。海外の設備投資需要の回復基調が強まり、産業機械や工作機械など機械類の拡大も期待できるという。その一方で、車載半導体の供給不足によって自動車工場の生産調整・減産が拡大すると、自動車部品の荷動きが鈍化・失速する恐れがあるともした。

 国際航空貨物は、輸出が同16・5%増の見通し。太平洋線と欧州線が新型コロナ感染症の収束と前年の大幅減の反動で増加するという。半導体関連(電子部品・製造装置)はAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、5G(第5世代移動通信規格)の普及本格化を受けて堅調に推移する見通し。自動車部品もEV(電気自動車)シフト、電装化関連の需要が高まることで、回復のけん引役となるとした。