トヨタ自動車は31日、燃料電池車(FCV)をベースとした医療車両の実証を今夏までに始めることで熊本赤十字病院(熊本市東区)と合意したと発表した。医療や災害時におけるFCVの有効性を確かめる。
小型バス「コースター」に乗用車「ミライ」の燃料電池(FC)スタック1基を搭載、1回の充てんで約210キロメートル走行できるほか、車内外に2つのコンセント(AC100ボルト)と、最高出力9キロワットのDC外部給電機能を備える。空調と特殊なエアフィルターを組み合わせた換気装置も備え、ウイルスの感染などを防ぐ。平時はもちろん、災害時にも現地で電源供給を行いながら医療活動が可能だ。
トヨタとしては、救急搬送や過疎地への出張医療、PCR検査のほか、献血バスや検診車に電力を供給するなど幅広い用途が見込めるとして実証を行う。