豊田通商、トヨタ自動車、ビーメディカルシステムズの3社は31日、ワクチン保冷輸送車で世界保健機関(WHO)が定める医療機材品質認証(PQS)を世界で初めて取得したと発表した。新型コロナウイルスをはじめ、さまざまな感染症用ワクチンの輸送が円滑に進むと期待する。
PQSを取得した医療機材は国連関係機関をはじめ、大手NGO(非政府組織)や慈善団体などの調達基準になるという。今回、トヨタ「ランドクルーザー78」とビーメディカルシステムズ製のワクチン専用冷蔵庫をトヨタカスタマイジング&ディベロップメントが保冷輸送車に仕立て、豊通がPQS認証を取得した。容量396リットル(ワクチンパッケージ400個分)の専用冷蔵庫は車内外電源を使えるほか、内蔵電池により約16時間稼働する。
国連機関などは途上国にさまざまなワクチンを供給しているが、適切な保冷輸送手段がないなどの理由で供給量の約2割が廃棄されているという。今後は、こうした国での活用が期待される。