高速回転玉軸受Gen3

 日本精工は、世界最高の回転速を実現した電動車駆動モーター用玉軸受を開発した。高速回転時の遠心力による保持器の変形を抑える設計技術を導入し、軸受けの高速回転性能を示す指標であるdmNで180万以上の値を実現した。モーター回転で毎分3万8千回転に相当する能力。車両電動化の進展にともないモーターに求められる小型化、軽量化ニーズに、軸受けの高回転対応で寄与する。2030年に120億円の売上を目指す。

 新たに開発したのは「高速回転玉軸受Gen3」。高速回転化する駆動モーターに対応した玉軸受の3世代目で、昨年3月にはdmNで140万以上の第2世代(Gen2)を開発していた。

 新製品は、軽量化を極限まで図る設計手法「トポロジー最適化技術」を自動車向け玉軸受として世界で初めて採用した。同技術によって高速回転時の遠心力による保持器の変形を抑制。シミュレーション技術も駆使し、機能と量産性を両立する形状の開発にこぎ着けた。

 今回、形状を最適化したことで、保持器の重量を第1世代(Gen1)比で約70%削減。高速回転時の変形量も約70%抑制することができた。

 軸受の高回転化により、モーターのさらなる小型化と軽量化が可能になる。回転数が高まるほどモーターのパワーを出すために必要なローター径(モーター径)を小さくできるためだ。

 高回転対応軸受けを使いモーターを小型化、軽量化すれば、コイルや磁石などモーター構成部品の使用量も削減できるという。同社はモーター重量で約60%の削減につながると試算する。