ルノー・ジャポン(横浜市西区)は、全面改良した主力の小型ハッチバック車「ルーテシア」と小型SUV「キャプチャー」を投入し、販売攻勢を強めている。年内には、ルノーブランドにとって、日本初となる電動車を投入する計画で、電動化に向けて舵を切る。今後の営業戦略などについて大極司(だいごく・つかさ)社長に聞いた。

(織部 泰)

 ―昨年の販売を振り返ると

 「コロナ禍により、販売と生産ともに相当な影響を受けた。販売では、店頭で感染対策を徹底するなど対応に追われた。ルノーは、フランスやスペインに工場を持っているが、稼働が上がらなかった。さらに、日本の場合は、タイミングが悪いことに新型車の投入を控えていた。全面改良のルーテシアとキャプチャーは、当初の投入予定より半年以上遅れることになった。20年を振り返ると、売る車両が無く、販売する車両を集めることに苦労した1年だった」

 ―今年の新車販売見通しは

 「個人的には、過去最高だった2018年の実績(7253台)を目指していきたい。今年は、全面改良したばかりのルーテシアとキャプチャーを投入したこともあって、新型車効果に期待している。商品には絶対的な自信があるが、コロナ禍や半導体不足の影響により予測しづらい部分もある」

 ―電動車の販売はいつから始めるか

 「ハイブリッド車(HV)から投入していきたいと考えている。ルーテシアとキャプチャーは、日本向けにもHVモデルを開発しており、今年中に披露できるよう計画している。HVから電動化をスタートしていく。(欧州ではキャプチャーにプラグインハイブリッド車モデルがあるが)現時点で国内への投入予定は無く、周りの動向などを注視していきたい」

 「環境車でありながら、走りにこだわった『ルノーらしさ』がしっかりと伝わるHVを投入していく。電気自動車(EV)においても同様にルノーらしさが伝わる車をこれから投入していく」

 ―EVの投入は

 「ルノーは、欧州でEVが高い評価を得ており、日本市場にもいずれ投入していきたい。ただ、一つ問題があり、日本では充電方式が『チャデモ』であることから、厳しい開発条件となっている。条件をクリアして投入していきたい」

 ―欧州で発表した新型「カングー」の国内への投入予定は

 「今年度中は無い。来年度以降になる」

 ―新規拠点など設備投資の計画は

 「昨年は、コロナ禍により出店計画が停止してしまった。輸入車の主力マーケットである都市部は、騒音や廃棄物など環境関連の規制が厳しく、新規出店が困難になっている状況がある」

 ―コロナ禍のためリアルでのイベントの開催が難しかったが

 「毎年ユーザーの皆さまから好評を頂いている『カングージャンボリー』も昨年はオンラインでの開催となった。その時の感染状況にもよるが、今年はリアルで実施できるよう前向きに検討していきたい」