R32GT-Rのリアパネル
日産自動車は15日、金型を用いずにボディーパネルを成形する「対向式ダイレス成形」や3Dプリンター技術を活用した純正補修部品「ニスモヘリテージパーツ」を商品化すると発表した。新技術による製品化は今回が初めてで、R32型「スカイラインGT-R」向けのリアパネルとハーネス用プロテクターの製造に生かす。
対向式ダイレス成形は、ボディーパネルの少量生産に対応する技術として2019年10月に発表。棒状の工具を取り付けたロボットがパネルを徐々に変形させて成形する「インクリメンタル成形」技術を使い、成形工具を対向側にも配置することで複雑な形状にも対応する。同工法を使いR32型スカイラインGT-Rのリアパネルを造る。
3Dプリンター技術はSOLIZE（宮藤康聡社長CEO、東京都千代田区）と共同開発した。これまで製品開発の試作工程の一部で使用してきたが、今回同技術を使い、同車種の樹脂部品であるハーネス用プロテクターを造る。ハーネスを製造するサプライヤーと協力し、3Dプリンターの性質に合わせた部品の再設計・性能試験を実施し短期間で商品化する。
日産、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル、オーテックジャパンの3社は、廃番となった純正補修部品を再供給することを目的に、17年12月にニスモヘリテージパーツの販売を開始した。約3年間で販売開始時の80部品から300部品以上に拡大している。
