旭化成は15日、リチウムイオン電池用セパレータ「ハイポア」の生産能力を増強すると発表した。約300億円を投じて宮崎県日向市の既存工場敷地内に新たな工場を新設する。生産能力は年間約3億5千万平方メートル。2023年度上期の操業開始を予定しており、車の電動化で拡大するリチウムイオン電池の旺盛な需要に応える。
同社は湿式膜と乾式膜の両方のセパレータを手がける。湿式膜は滋賀県守山市と宮崎県日向市、乾式膜は米国ノースカロライナ州でそれぞれ生産している。グループ全体の生産能力は年間約11億平方メートルで、滋賀県と米国でも増強工事を行っている。
両工場での増強が完了すると年間15億5千万平方メートルに拡大し、さらに宮崎県の新工場が加わることで、年間約19億平方メートルに増えることになる。電動化で需要が拡大するリチウムイオン電池向けセパレーターの生産能力を増強して、セパレーター世界トップシェアを維持する。