川崎汽船は、液化天然ガス(LNG)を燃料とする次世代型環境対応自動車専用船「CENTURY HIGHWAY GREEN(センチュリー・ハイウェイ・グリーン)」が完成したと発表した。同社が運航する自動車専用船でLNG燃料船が就航するのは初めて。従来の重油燃料の船に比べて二酸化炭素(CO2)の排出で25~30%、硫黄酸化物(SOx)の排出をほぼ100%削減する。さらにLNG燃料の使用に加えてEGR(排ガス再循環)を使用することにより窒素酸化物(NOx)の排出は80~90%削減を見込む。

 同船は全長199.98メートル、全幅37.2メートルで、最大積載自動車台数は7080台。総トン数は7万3515トン。LNGとMGO(マリンガスオイル)のいずれの燃料でも運転可能な2元燃料焚き主機と補機(発電機、ボイラー)を採用している。

 また、船内には従来の居住区に加え、貨物デッキや機関室、LNG燃料関連機器室にもWi-Fi(ワイファイ)を設置し、船内の遠隔監視など業務効率の改善を目指す。さらに貨物デッキ、機関室に複数台のウェブカメラを設置し、船内Wi-Fiを通じ、船内の各PCや携帯情報端末でリアルタイムにモニターすることを可能とするなど、デジタル技術の搭載も充実させた。