インクリメントPのHP

 パイオニアは10日、地図データなどを手がける完全子会社のインクリメント・ピーを、投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループに売却すると発表した。売却額は非公表。パイオニアは売却で得た資金を、今後注力する予定のソリューションサービスの開発などに投資していく。

 インクリメント・ピーは主にパイオニアなどのカーナビ向け地図データなどを開発してきた。パイオニア傘下から外れることで、今後は幅広い用途に向けて地図データや、関連サービスの開発など、地図事業の拡大を図る方針。パイオニアの地図データ開発などの事業は今後も継続する。

 投資ファンドの傘下で経営再建を進めているパイオニアは、将来的な再上場も視野に入れ、カーナビやドライブレコーダーといったハードウエアを中心とする事業から、カーナビなどを通じて収集したデータなどを活用したサービスを提供する課金型のソリューションサービス企業への変革を目指している。

 矢原史朗社長執行役員は「売り上げの大半はカーナビをはじめとするハードウエア製品が占めている。新中計では、テレマティクス保険やフリート・物流業界向けのソリューションサービス型ビジネスを成長させていきたい」とし、2025年をめどに、利益面でソリューションサービス事業をプロダクト事業に並ぶ規模に伸ばす方針を示した。