デザインを一新した新型ヴェゼル
ドライバーや同乗者が一つひとつの動作をスムーズに行える空間を目指した
顔に直接風を当たらないようにする独自のエアコンルーバー
太陽光を取り入れるパノラマルーフ
9㌅の大画面ディスプレーオーディオも採用
後席の居心地も維持

 ホンダはSUV「ヴェゼル」を7年ぶりに全面改良し、4月に日本で発売する。車両サイズは現行型とほぼ同じサイズを維持した上で、エクステリア、インテリアともにデザイン性や機能性を高めた。コンパクトSUVの市場は競争が激化している。全面改良を契機に販売の上積みを図る。

 ヴェゼルは2013年12月に日本に投入したSUV。海外では主に「HR―V」として主要市場で展開しており、世界で累計約384万台(20年11月時点)を販売してきた。

 海外メーカーを含めて多くのモデルが存在する同カテゴリーでヴェゼルが一定の存在感を示すことができた一因は、ある意味で〝中途半端〟なサイズ感だ。現行モデルでは全長4330㍉㍍×全幅1770㍉㍍×全高1605㍉㍍と、「BセグメントとCセグメントの中間」(岡部宏二郞開発責任者)に位置するサイズで投入。コンパクトSUVに属するモデルは多くても、「実際の競争相手が少なかった」(同)という訳だ。

 新モデルでも「ほぼ同じサイズ」(同)を踏襲した(正式な諸元は現時点で未公表)。また、現行モデルの強みだったクーペ調デザインと後席空間の居心地を両立したバランスの良さや高いコストパフォーマンスも維持する。

 一方、改良した点で大きいのはデザイン性とパワートレインだ。フロントデザインでは、前へ突き出した立体感のあるノーズ造形や機能性と主張が強いルーバーグリルを採用。滑らかで精悍な表情をつくり出すデザインのヘッドライトや塊から隆起したような造形で力強い下回りを表現したフロントバンパーを採用し、精悍さと親しみやすさを両立した。リアのデザインでは継ぎ目のないクリーンで立体的なゲートパネルを採用し、美しさを演出。同時に、ゲートの開口や下端の高さ、ゲートハンドルの位置などをミリ単位で調整するとともに、ハンズフリーで解錠や施錠、開閉ができるパワーテールゲートを採用し、機能性も高めた。

 室内では、基本骨格となるベース形状を塊感のあるソリッドなフォルムとし、SUVらしい力強さを表現。直接触れる場所は柔らかい触感の素材とフォルムのパッド類を配置し、安心感のある空間をつくった。さらに、光を取り入れるパノラマルーフや柔らかい風を送る独自のエアコン吹き出し口、高音質オーディオシステムを採用するなどし、五感で心地良さを感じられる機能を採用した。

 一方、パワートレインでは、ガソリンエンジンに加え、2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を同モデルで初採用した。e:HEVでは、リニアで気持ち良い加速感を味わえるほか、3種類のドライブモードで異なるフィリーングを得られたり、レンジ変更で減速度を変更したりできる。e:HEVモデル専用で、アクティブなデザインなどを採用した新グレード「Play」も設定する。

 コネクテッドサービス「ホンダコネクト」もバージョンアップする。ホンダとしては初めて地図を自動更新するサービスを採用したほか、少量販売の「ホンダe」に設定した、スマートフォンでドアを開閉できる「ホンダデジタルキー」などを量販車で初搭載した。先進運転支援技術では、「フィット」と同様に後方誤発進抑制装置や近距離衝突軽減ブレーキなどを採用。前方車両の追従機能は渋滞時にも対応できるようになった。

 価格や諸元は4月の発売に合わせて公表する予定。日本に続いて年内に欧州で発売し、その後、順次販売地域を拡大していく考えだ。